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Amazon S3バケットの仕組み

S3バケットを使うと、オブジェクトを簡単に保存し、整理することができます。S3バケットの仕組みについて説明します。

目次:

S3バケットとは

S3バケットは、Simple Storage Service (S3) に保存されるオブジェクト向けのパブリック・クラウド・ストレージ・コンテナです。S3バケットはファイル・フォルダとオブジェクト・ストレージに例えられます。バケットによって格納されている各オブジェクトには、オブジェクトのコンテンツ(データ)、オブジェクトのメタデータ(オブジェクトのサイズ、名前、最終更新日、URLなど)、オブジェクトの一意の識別子の3つのメイン・コンポーネントがあります。

クラウドでの保存向けのオブジェクトは、他のものと切り離すことができません。ここでバケットが必要になります。各S3アカウントは数百のバケットを持つことができ、各バケットには数百のオブジェクトを含めることができます。さらに、S3バケットのユーザーフレンドリーなインターフェイスで、どこからでもウェブ上でデータの保存と取得が可能です。

S3バケットの目的は、データ・バックアップと配信のニーズに応える企業や個人を支援することです。また、S3バケットを使うと、クラウド・ストレージをとおして大量のデータを保存し、後からアクセスすることも可能です。企業がS3バケットに保存するデータは特に、ビッグ・データ分析、ディザスタ・リカバリ、動的なウェブサイト、ユーザーが生成したコンテンツ用などが大半です。企業の中には、静的なHTMLウェブサイトや複雑かつ動的なウェブ・アプリケーションをホストするためにS3バケットを使っている企業もあります。

S3バケットの使用方法

S3バケットを使うには、まず任意のリージョンでバケットを作成する必要があります。続いて、グローバルに一意な名前をバケットに付けます。コストとレイテンシを抑えるために、自分に近い場所を選ぶことをおすすめします。

バケットができたら、データ・ストレージのS3ストレージ・クラスを選びます。ストレージ・クラスの選択は、機能、アクセシビリティ、冗長性、価格のレベルによって変わります。ただし、どのストレージ・クラスからでも、オブジェクトをバケットに保存できることを覚えておいてください。

ストレージ・クラスを決定したら、続いてバケットのオブジェクトへのアクセス権を指定できます。これは、アクセス制御リスト、バケット・ポリシー、任意のアイデンティティ・アクセス管理サービスを使うと簡単です。また、API、コマンドライン・インターフェイス、管理コンソールを使ってもS3バケットを操作できます。

S3バケットの作成方法

ここまで、バケットの作成、リージョンの選択、ストレージ・クラスの決定、アクセス権の指定について説明してきましたが、これらをすべて行うには、バケットを作成するためのS3コンソールの操作に関する手順ごとのガイドが必要です。以降のセクションでは、S3バケットの作成とアクセスに関する詳細なユーザー・ガイドを提供します。

S3コンソールを操作する

S3バケットを作成するための最初のステップは、コンソールにログインすることです。実行するには、こちらをクリックします

[Root User(ルート・ユーザー)] または [IAM user(IAMユーザー)] のオプションを使ってサインインできます。既存のアカウントがない場合、[Create a new AWS account(新しいAWSアカウントの作成)] をクリックします。続いて、[login(ログイン)] ボタンをクリックして詳細を正確に入力します。

バケットに名前を付ける

バケットを作成するには、まず名前を付けなければなりません。サインインしたら [Create Bucket(バケットの作成)] をクリックし、そのままバケット名の入力に進みます。バケット名を選択する際は、以下に従ってください。

  • 一意の名前にする
  • 大文字を使わない
  • 最初の文字は数字または小文字にする
  • 3~63文字の長さにする

バケット名を決定したら、変更することはできません。

リージョンの選択

次のステップは、S3バケットを配置するリージョンを選択することです。オブジェクトは明示的に移動させない限り、選択したリージョンに留まります。コストを抑え、規制要件やレイテンシに対処するため、自分に近い場所を選択することをおすすめします。

所有権を決定する

リージョンを選択したら、続いて所有権を決定します。これにより、データ・アクセスを他のユーザーへ付与するか、バケット内のすべてのオブジェクトのフル・コントロールおよび所有権を持つことができます。

オブジェクトをアップロードする

バケットの作成が完了したら、次のステップはバケットにオブジェクトをアップロードすることです。つまり、オブジェクトによってバケットに保存するデータを指します。音楽、ビデオ、画像、テキストなどのファイルを選べます。オブジェクトをアップロードするには、次の手順に従います。

  • S3コンソールを開きます
  • オブジェクトのアップロード先となるバケットを選択します
  • [object(オブジェクト)] タブの [upload(アップロード)] を選択します
  • [files and folder(ファイルとフォルダ)] の [add files(ファイルの追加)] を選択します
  • ファイルを選択し、続いて [Open(開く)] をクリックします
  • [Upload(アップロード)] をクリックすると、ファイルがバケットに正常にアップロードされます

他のファイルをアップロードするには、同じ手順を繰り返します。

オブジェクトにアクセスする

すでにバケットに格納されているオブジェクトにアクセスするには、次の手順に従います。

  • S3コンソールを開きます
  • アクセスするオブジェクトのリストがあるバケットをクリックします
  • オブジェクトを含むフォルダを見つけます

アクセシビリティを設定する

復旧やその他の目的でS3バケット内のオブジェクトのパブリック・アクセスを可能にする手順です。これを行うには、以下の手順に従います。

  • S3コンソールを開きます
  • アクセスできるようにするオブジェクトのリストがあるバケットをクリックします
  • オブジェクトを含むフォルダを見つけます
  • パブリック・アクセスを可能にするオブジェクトをリストからすべて選択します
  • [Actions(アクション)] をクリックしてから [Make Public(公開する)] をクリックします
  • これで、オブジェクトのURLにパブリック・アクセスできるようになりました

S3バケットへのアクセス方法

S3コンソールを使うと、コードをまったく入力せずにバケットにアクセスし、必要な操作を行うことができます。

仮想ホスト形式のアクセス

仮想ホスト形式アクセスでバケットにアクセスするには、次のURL形式を使用します。https://bucket-name.s3.Region.amazonaws.com/key-name

パス形式のアクセス

パス形式アクセスでバケットにアクセスするには、次のURL形式を使用します。https://s3.Region.amazonaws.com/bucket-name/key-name

IPv6アクセス

S3では、インターネット・プロトコル・バージョン6 (IPv6) を使ったバケットへのアクセスがサポートされています。IPv6でのS3バケットへのアクセスをリクエストする前に、バケットにアクセスしようとするクライアントとネットワークでIPv6が有効になっている必要があります。

S3アクセス・ポイント

S3バケットには、S3アクセス・ポイントからアクセスすることもできます。ただし、S3アクセス・ポイントでは仮想ホスト形式のアドレス指定しかサポートされていないため、注意が必要です。S3アクセス・ポイントを使用してバケットにアクセスするには、次のURL形式を使用します。https://AccessPointName-AccountId.s3-accesspoint.region.amazonaws.com

注:Amazon S3のすべての画面キャプチャとAmazon/Amazon S3オンライン・リソースの使用を伴う関連手順の説明は、公開時点で正確なものではありますが、この記事にただちに反映されることなく変わる可能性があります。