テストにより業界基準を上回ることが実証されたHAMR

SeagateのMACH.2とHAMR技術が、信頼性、速度、応答時間において業界標準をどのように上回っているかをご覧ください。

目次

パートナー企業がSeagateと協力してHAMRとマルチ・アクチュエータ技術の展開を準備

Seagateの技術チームは、先日のOpen Compute Project (OCP) Global Summitにおいて、パートナー企業が当社のHAMRおよびMACH.2™マルチ・アクチュエータ技術による統合開発を開始したことを報告しました。パートナー企業の数社は、ブースのデモでこれらの先進技術を展示しました。

顧客の信頼性要件をはるかに超えるSeagateのHAMR技術

Seagateのエンジニアリング・チームは、SeagateのHAMR読取り/書込みヘッドが最新のラボ内信頼性試験において顧客要件の20倍以上という、業界標準を大幅に上回る結果を出したことを明らかにしました。

ニアライン・ハードディスク・ドライブの信頼性に関する業界標準仕様では、ドライブに550TB/年、または5年間で合計2,750TBの転送速度が期待されています。つまり、18個の読取り/書込みヘッドを持つハードディスク・ドライブでは、各ヘッドが5年間で152TBのデータを確実に転送できることが期待されています。

Seagateの開発チームは現在、1個のHAMR読取り/書込みヘッドが6,000時間にわたり信頼性のあるデータ転送を行うことを明らかにしました。これはヘッド1個あたりの転送データが3.2PBであることに相当します。つまり、この仕様で求められているデータ量の20倍以上です。

では、データ・センターでHAMRを展開したらどうなるのでしょうか?

「業界仕様のハードディスク・ドライブの場合、ドライブのすべてのヘッドがフィールドで常時書込みを行っていたとすると(もちろん、そうではありませんが)、各ヘッドが152TBを書き込んだことになります」と、Seagateのエンタープライズ・プロダクト・プランニング担当ディレクターのJason Feistは説明します。「これをペタバイトに置き換えてみましょう。顧客要件は1個のヘッドが0.152ペタバイトの書込みを行うことですが、当社はすでに1個のHAMRヘッドで3.2ペタバイトの書込みを可能にしているのです」

MACH.2デュアル・アクチュエータ技術は記録更新を続ける

Seagateは、2017年後半からMicrosoft®と共同でMACH.2デュアル・アクチュエータ・ハードディスク・ドライブ (HDD) のテストおよび展開を行っており、一部のパートナー企業に提供範囲を拡大しました。

Microsoftとのコラボレーションについて、Seagateエンタープライズ・アプリケーション・マーケティング戦略マネージャーのTony Glavisは、「MACH.2マルチ・アクチュエータ技術を使えば、Seagateも当社のクラウド・プロバイダ・パートナーもテラバイトあたり最高のIOPSを手にすることができます」と語りました。「当社の目的は、コストの影響を大きく受けるストレージ・ティアでパフォーマンスの技術イノベーションを加速することです。そして、MACH.2はエンド・ユーザーへの応答時間を短縮し、当社のクラウド・パートナーがSLA要件を満たせるようにすることで、技術イノベーションの高速化を実現します。HAMRによる継続的な容量の増加とMACH.2によるIOPS向上の相乗効果で、パフォーマンスを維持しながらコスト効率が改善されます」

エディターの注:このブログが最初に公開されて以来、SeagateはExos MACH.2ハードディスク・ドライブ・シリーズの革新と拡大を続け、大容量と強化されたパフォーマンスを提供する4つの新モデルを発表しました。

最新のExos 2X18ハードディスク・ドライブは、SATAソリッド・ステート・ドライブのシーケンシャル読取り/書込み速度に匹敵し、前世代の容量である14TBを上回る16TBおよび18TBの拡張容量を提供するなど、優れた性能を発揮します。

Exos 2X18シリーズでは、SATA 6Gbps、SAS 12Gbpsインターフェイスを備えた2種類の18TB HDDと、同じインターフェイスを備えた2種類の16TB HDDを含む6種類のモデルが用意されています。なお、SASドライブには常に暗号化オプションが付属しています。Seagateは、これらのドライブで驚異的なパフォーマンスを達成しました。Exos 2X18 SATAでは554MBpsの最大連続転送速度、SASモデルでは545MBpsの連続転送速度を実現しています。これらのドライブは現在、世界最速のハードディスク・ドライブとして他と一線を画しています。さらに、4つのモデルの平均待ち時間はすべて4.16msで、304/560のランダム読取り/書込みIOPS (4K QD16) を実現します。

デュアル・アクチュエータのExos 2X18ドライブは、従来の磁気記録技術を採用し、回転速度7,200 RPMで動作します。256MBのマルチセグメント・キャッシュを搭載し、さらにアイドル時の消費電力を管理するPowerChoice™、アクティブ時の消費電力を管理するPowerBalance™、ホットプラグ対応など、Seagateの高度なデータ・センター技術を完全にサポートします。これらの密閉されたヘリウム充填MACH.2ハードディスク・ドライブは、それぞれ9TBまたは8TBの容量を備えた、2つの独立したアドレス指定可能な論理ハードディスク・ドライブを提供します。

マルチ・アクチュエータHDDには、シングル・アクチュエータ・ドライブと比べていくつかの利点があります。特に、ハードディスク・ドライブ容量が増加するにつれて低下する可能性のある、テラバイトあたりのシーケンシャル読取りおよびランダム読取りのパフォーマンスが向上しています。独立して作動するアクチュエータの数を2倍にすることで、パフォーマンスが大幅に向上します。

Seagate HAMRとMACH.2マルチ・アクチュエータ技術を併用することで、顧客が求めるデータ・センターの仕様を上回るパフォーマンス・レベルを維持しながら、プラッタあたりの面密度とドライブ容量を最大化することができます。

最先端技術を追求する理由

あなたのデータ環境全体を想像してみてください。つまり、あなたが成長し、成功し、つながり、記憶し、周囲の人々を大切にすることを可能にするすべてのデータのことです。もしすべてのデータのうち90%を切り捨てなければならないとしたらどうでしょうか。記憶、知識、ソフトウェア・アプリケーションの10%しか保存できない未来の世界を想像してみてください。すべてのデータを写真で残していたのに、その写真が低解像度で画質が粗く、不鮮明なグレースケールの画像になってしまったらどうでしょうか。

これは近い将来私たちが直面しかねない問題です。そうならないために、HAMRが実現する容量の拡大と、Seagate MACH.2マルチ・アクチュエータ技術が可能にするこの膨大なデータ・プールへの高速アクセスを組み合わせることが必要なのです。

Feistは、「HAMRとMACH.2は技術を実現するイノベーションを重ねてきたSeagateの長い歴史における新たな1ページであり、当社の科学者とエンジニアチームによる重要な一歩だ」と述べています。

「当社の歴史はここで終わりではありません」と彼は言います。「しかし、私たちがここで成し遂げたことは、未来への贈り物となります。もはや不鮮明な写真から歴史を読み解く必要はなくなります。そして、私たちはパートナー企業と協力しながら、共にこの夢の実現に向かって歩んでいきます」

SeagateのHAMRとMACH.2マルチ・アクチュエータ技術は、次世代の容量とパフォーマンスの実現を目指して共に走り続けます。これらの技術は現在、一部のSeagate Exosエンタープライズ・ハードディスク・ドライブに搭載されています。

Mozaic 3+:未来の読取り/書込み技術

Mozaic 3+は、Seagate独自の熱補助型磁気記録 (HAMR) 技術を搭載したハードディスク・ドライブ・プラットフォームで、ディスクあたり3TB以上という前例のない面密度で大容量ストレージを提供します。

Mozaic 3+は、地球上で最も複雑なナノスケール記録技術と画期的な物質科学を複合して生まれました。Seagateの現行ハードディスク・ドライブと同じ材料リソースを使用し、既知の3.5インチ・フォーム・ファクタで提供されるものの、以前は考えられなかった密度レベルでデータをメディアに保存することができます。Mozaic 3+は、現在と将来が混ざり合っており、50TBを視野に入れながら、依然として「10個のプラッタと20個のヘッド」を維持しています。

Mozaic 3+を使用することで、データ・センター事業者は、より少ないスペース、より少ないラックで、エクサバイト単位の規模でデータを保存することができ、消費エネルギーと床面積の大幅なTCO削減につながります。 

詳細情報:https://www.seagate.com/innovation/mozaic