中小企業向けの仮想化とバックアップ

仮想マシン、PC、物理サーバーのバックアップと復元

SynologyとSeagateを使用した仮想化によるバックアップのベストプラクティスをご確認ください。

目次

データを確実に保護するためには、すべての仮想環境にバックアップ戦略が必要です。しかし、トラブル発生時に最小限のダウンタイムで本番環境を復元できるように、すべてを確実にバックアップするにはどうすればよいでしょうか?

本記事では、Synology®のバックアップ・アプリケーションを使用して、あらゆる仮想マシン環境に堅牢な3-2-1バックアップ・アーキテクチャ (3コピー、2ストレージ媒体、1オフサイト) を構築する方法をご紹介します。

3層のバックアップ。可用性が高いローカル冗長性

本番環境またはホームラボ環境にバックアップ計画を設定する最初の手順は、高可用性クラスタを設定することです。高可用性クラスタとは、2つのネットワーク・アタッチド・ストレージ (NAS) ユニットをハートビート接続(イーサネットテザリング)で連結したものです。NASユニットの1つが有効なサーバーとして機能し、もう一方のユニットは待機して、有効なサーバにハードウェアの問題が発生した場合に引き継ぎます。ほとんどの高可用性 (HA) クラスタと同様に、これら2つのSynologyユニットは、モデル番号、RAM、使用するHDDとSSDなどがまったく同じである必要があります。ただし、他の一部のHAオプションとは異なり、Synology HAクラスタは1つのIPアドレスで設定されているため、フェイルオーバーが生じた場合に別の有効なサーバに再接続する必要がありません。

ローカル・バックアップ

バックアップ計画の設定手順の2つ目は、オンサイト・バックアップの作成です。HAクラスタを持つことが冗長性の第一段階ですが、突発故障があった場合にデータをバックアップすることはできません。そこでオンサイト・バックアップの登場です。オンサイト・バックアップは、ランサムウェアや重要なデータの偶発的な削除を最前線で防御する機能です。SynologyのActive Backup for BusinessソフトウェアおよびSynologyのVM Backupを使用すると、別のオンサイトNASに自動バックアップを設定することができ、またスナップショットのレプリケーションを使用すると、クラウドからダウンロードするよりも素早く消失したデータを復元することができます。仮想マシンのバックアップと併せて、PC、サーバー、クラウド・データもバックアップすることができるため、一ヶ所ですべてのバックアップを保護することができます。また、バックアップのテストも常に重要になります。バックアップが予想通り機能し、データを復元できることをテスト・確認します。

オフサイト・レプリケーション

バックアップ・ワークフロー作成の最後の手順はオフサイトでデータをバックアップすることです。これは、別の場所にあるNASに対して行うか、または多くの大手クラウド・サービス(NASとの統合専用に開発されたSynologyのクラウドであるC2など)にバックアップを送信して行うことができます。SynologyのHyper Backupソフトウェアを使用すると、自由にバックアップ先を設定し、そこからバックアップを管理することができます。また、データを復元できるほか、突発的なトラブルが発生した場合には、オフサイトNASにフェイルオーバーして、メイン環境の修理中に本番環境の動作を維持することもできます。

検討すべきNASモデル

ここまで仮想環境にバックアップ・ワークフローを設定する方法を説明してきましたが、次に仮想マシンの高可用性クラスタに検討すべき2つの推奨構成をご紹介します。

  • ホームラボ・ユーザーの場合、パッケージのサンドボックス化とテストには2 × DS720+ユニットが最適です。
  • エンタープライズ環境の場合、高速フェイルオーバーのためにコントローラを2台搭載したオールインワン・ソリューションは1 × UC3200です。

IronWolfの強み

仮想マシンのデータがバックアップされ、正しく動作するようにするためには、適切なハードウェアが必要です。常時稼働でいつでも使用可能なSeagateのIronWolfドライバは、厳しいNAS環境での使用に専用の設計となっています。

専用設計

NASは、100名以上のユーザーや100台以上のコンピュータに難なく対応できる能力を備えており、Seagate IronWolfハードディスク・ドライブは、多忙な環境で高い作業負荷率を実現することで、オフィス全体でのファイル共有をサポートします。高速なIronWolf SSDの力でファイル転送をスピードアップし、優れた耐久性で長期使用による損耗を抑えることができます。互換性のあるNASシステムでは、HDDとSSDの両方を使用して、大容量、スピード、耐久性を兼ね備えたハイブリッド構成を採用することも可能です。

Seagate IronWolfドライブは、従来の磁気記録 (CMR) 技術をベースに、RVセンサーを内蔵して振動を軽減することにより、マルチベイのNAS環境で性能と信頼性を維持できるよう設計された製品です。なお、RVセンサーはIronWolf 4TB以上のドライブとすべてのIronWolf Proドライブに標準装備されています。

IronWolf Proがデータを保護します

IronWolf Proドライブは、強力なIronWolf Health Management (IHM) 機能を備え、データロスの予防、介入、復元サービスを提供することでサポートします。IHMについての詳細は、こちらからご確認ください。さらに、これらのドライブには3年間のRescue Data Recovery Services(データ復旧サービス)が付帯しており、データの破損、ウイルス感染、火災や洪水による損害を補償します。

SynologyとSeagate – 仮想環境のための信頼性の高いバックアップソリューション

当社の3-2-1の推奨構成を使用して仮想マシンをバックアップすると、データを確実に保護することができます。Synologyの仮想化ソリューションとSeagate IronWolfドライブを選んで、貴社のネットワークをパワーアップしましょう。これこそが、データ・インフラストラクチャを動的な方法で手軽にアップグレードするための秘訣です。