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SeaTools Bootable ユーザー マニュアル
SeaTools Bootable 

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SeaToolsの使用

テストの実行中はSeaTools USBデバイスを取り外さないでください。

Seagate SeaToolsの実行

      1. システムの再起動

        SeaTools USBデバイスを差し込んで、コンピュータを再起動するか、電源を入れます。システムがLinuxオペレーティング・システムで起動します。システムが起動しない場合は、本ファイルの後半に記載されているセクション5「トラブルシューティング」をご覧ください。

      2. テストするドライブの選択

        SeaToolsが読み込まれると、システム上のストレージ・デバイスを示すドライブのリストが表示されます。そこから、テストするドライブを選択します。必ず正しいドライブを選択してください。選択したドライブは緑色で強調表示されます。この画面には、モデル番号やシリアル番号などのドライブに関する情報も表示されます。Seagateモデル番号は、「ST」の文字で始まります。Seagateシリアル番号は、8桁の英数字です。

      3. 実行するテストの選択

        メニューに診断テストの一覧が表示されます。選択したドライブに実行するテストを選択します。

        Basic Tests(基本テスト)Advanced Features(高度機能)
        S.M.A.R.T. Check(S.M.A.R.T.チェック)Acoustic Test(静音性テスト)
        Short Drive Self Test(短時間ドライブ・セルフ・テスト)Set Max LBA(最大LBA設定)
        Short Generic Test(短時間ジェネリック・テスト)Erase Overwrite/Erase Write Same(上書きの消去)/(同じ書込みの消去)
        Long Generic Test(長時間ジェネリック・テスト)Erase Sanitize(サニタイズの消去)
        Fix All(すべてを修復)SED Crypto Erase (PSID)(SED暗号消去 (PSID))

         

        [S.M.A.R.T. Check(S.M.A.R.T.チェック)] では、ドライブが正常に稼働しているときにドライブによって維持管理されるドライブのS.M.A.R.T.(セルフモニタリング (Self-Monitoring)、分析 (Analysis)、レポーティング・テクノロジ (Reporting Technology))ログを確認し、ドライブで過去に問題が発生していたかどうかを簡単に調べます。このテストで見つかった障害は「SMARTトリップ」と呼ばれ、近い将来障害の発生が予測されます。[S.M.A.R.T. Check(S.M.A.R.T.チェック)] テストで問題が見つかった場合は、保証交換をお勧めします。

        [Short Drive Self Test(短時間ドライブ・セルフ・テスト、短時間DST)] は、ハードディスク・ドライブのファームウェアに組み込まれている精密診断ルーチンです。ファームウェアはディスク・ドライブにインストールされ、ドライブの動作を制御する機械語です。DSTでは、データが完全に保護されます。[Short Drive Self Test(短時間ドライブ・セルフ・テスト)] で問題が見つかった場合は、保証交換をお勧めします。

        [Short Generic Test(短時間ジェネリック・テスト)] は、機能はDSTに似ていますが、ソフトウェアで実装され、ドライブが特殊コマンドに対応している必要はありません。[Short Test(短時間テスト)] では、データが完全に保護されます。

        [Long Generic Test(長時間ジェネリック・テスト)] は、ドライブ全体に欠陥がないかどうかを調べます。このテストには時間がかかります。このテストはドライブのすべてのセクターを読み取るため、必要な時間はディスク・ドライブの速度と容量によって異なります。最大容量のドライブでは、一般的に1テラバイトあたり3~5時間の時間がかかります。テストはいつでも [Cancel(キャンセル)] することができます。これによりドライブに悪影響を与えることはありません。[Long Generic Test(長時間ジェネリック・テスト)] では、データが完全に保護されます。

        [Fix All(すべてを修復)] 機能は、不良セクターを可能な限り修復します。[Fix All Fast(すべてを修復 - 高速)] および [Fix All Long(すべてを修復 - 長時間)] を実行するには、F8キーを押して、検出された読み取れないLBA(セクター)をSeaToolsが修復することに同意する必要があります。セクターが不良セクターで読み取りができない場合は、その時点でセクターのすべてのデータにアクセスできない状態になっていることを知っておいてください。詳しくは、ヘルプ・トピック:「不良セクターが検出されました」をご覧ください。

        [Acoustic Test(静音性テスト)] –(スピン・ダウン)欠陥のあるハードディスク・ドライブでは異音がする場合があります。しかし、電源部やCPUファンの音がハードディスク・ドライブの異音と勘違いされることも少なくありません。このテストでは、ドライブをスピン・ダウンして電源管理アイドル状態と同じような状態にします。ノイズ発生源がドライブであれば、音は止まります。ノイズが続くようなら、ハードディスク・ドライブが異音の発生源である可能性は消去できます。

        [Set Max LBA(最大LBA設定)] – 場合によっては、ディスク・ドライブの容量が大きすぎて、容量の削減が必要なケースもあります。また、容量を減らしたドライブの設定をネイティブの最大容量に戻すことが必要な場合もあります。このセクションでは、3つのオプションをご紹介します。

        [Advanced Test(詳細テスト)] メニューには、データを消去したり、システムでドライブを使えなくしたいるするオプションがあります。続行すると、データの損失につながる場合があります。

        [Erase Overwrite Full(すべてを上書きして消去)] 機能は、すべてのセクターに0の値を書き込んで、デバイス全体を消去します。ディスク・ドライブの速度と容量によって異なりますが、この操作は長時間かかります。警告!!!ドライブに保存されているデータはすべて失われます。ゼロ・フィル・データ・パターンの書込みは、ドライブのデータの完全消去に等しいデータ破壊処理です。

        Seagateはデータの損失について責任を負いません。ドライブの消去はSeagate、Samsung、LaCieまたはMaxtorドライブのみが対象です。


        注意:ブート・ドライブは検出が難しい場合もあるため、ブート・ドライブが選択されていないことをしっかりと確認してください。

        SeaTools Bootableの消去オプションはデータを消してしまうため、慎重を期してください。Seagateはデータの損失について責任を負いません。

        自分のドライブについては、重要なデータの最新バックアップを常に取得するようにしてください。

        ドライブの所有者が自分以外で、所有者がドライブや保存データの所有権を主張していない場合でも、自身が所有されているデータについては責任があります。法的責任を問われないため、および以前の所有者のプライバシーを保護するために、このドライブのデータ消去を実行してすべてのデータを削除することをお勧めします。

        一部のドライブは、以下の高度な消去コマンドに対応していません。ドライブがコマンドに対応している場合は、ソフトウェアのメニューに表示されます。


        [Erase Write Same(同じ書込みの消去)] – このオプションを使用すると、指定したLBAの開始地点から同じ書込みの消去を開始します。LBAの開始地点に「0」を指定すると、ドライブの最初の部分を指定したことになります。ドライブの最終セクター(最大LBA)は、ウィンドウの一番上に表示されます。同じ書込みのデータ・パターンは、指定した範囲すべてにゼロを書き込みます(0000... など)。

        [Erase Write Same(同じ書込みの消去)] は、[Erase Overwrite Full(すべてを上書きして消去)] よりも速く処理が終わります。特に、USBドライブでは [Erase Write Same(同じ書込みの消去)] が3~5倍も処理が高速です。

        SCSIデバイスでは、このオプションはwritesame16コマンドを使用します。ATAデバイスでは、SCT writesame機能が使用されます。


        [Erase Sanitize(サニタイズの消去)] – ハードディスク・ドライブ (HDD) でサニタイズの上書きを実行すると、1テラバイトあたり約3時間という非常に長い時間がかかります。このコマンドを開始すると、上書き消去が終了するまでドライブは通常使用できる状態に戻りません。ドライブの上書き消去中に電源をリセットしても、上書き消去は中断した箇所から続行されます。この機能の実行中でも、自動セクター再割り当て(修復)は行うことができます。


        [SED Crypto Erase (PSID)(SED暗号消去 (PSID))] – 自己暗号化ドライブInstant Secure Erase。このメニューは、ドライブがハードウェア暗号化に対応している場合に表示されます。すべてを消去の処理と同じく、このコマンドを実行するとドライブのすべてのユーザ・データに完全にアクセスできなくなりますが、ドライブの暗号鍵を削除するだけなので処理はわずか数秒で完了します。

        [SED Crypto Erase(SED暗号消去)] を選択した場合、ユーザはドライブのラベルに記載されているPSID(物理セキュリティ識別番号)パスワードを入力する必要があります。PSIDは、32文字の数字と大文字の文字列で、ラベルに印刷されています。この番号は電子クエリに対応していないため、PSID番号を確認するにはドライブを取り外す必要があります。ほとんどのドライブではラベルにPSIDコードが記載されていますが、「Seagate Secure」の記載がないドライブは、revertSP暗号消去に対応していません。

        PSIDは空白を入れずに入力してください。入力は5回まで可能です。それ以上は電源サイクルが必要になります。また、2Dバーコード・リーダーで読み取ることもできます。

        [SED Crypto Erase(SED暗号消去)] コマンドは処理が非常に高速で、1秒未満で完了します。ユーザ・データに使用されている内部暗号鍵が変更され、以前のデータはすべて無効になります。この処理は、自己暗号化ドライブ (SED) でOpal SSC仕様revertSPを実行します。この処理は、ラベルに「Seagate Secure」の記載があるすべてのSeagate SEDドライブで実行できます。処理が完了したドライブは、暗号化によりすべてのユーザ・データが消去され、それ以外のすべての設定が工場出荷時のデフォルト設定に戻った「新品同様」の状態になります。

        Seagate Instant Secure Eraseの詳細は、Seagate Secureウェブサイト (http://www.seagate.com/solutions/security/) をご覧ください。

      4. 診断の実行

        SeaToolsは、選択したハードディスク、デバイスに対して、不具合の可能性がないか、データを保護しながらテストを実行します。長時間テストは、いつでも中止できます。キーボードのESC(エスケープ・キー)を押します。

        「長時間テスト」中にのみ、不良セクター (LBA) が検出されます。これらはデータ・ファイルやオペレーティング・システムのディレクトリ構造の一部になっている場合があります。問題が起きているセクターが空だったり、使用されていない場合もあります。セクターが不良セクターで読み取りができない場合は、その時点でセクターのすべてのデータにアクセスできない状態になっていることを知っておいてください。詳しくは、ヘルプ・トピック:「不良セクターが検出されました」セクションをご覧ください。

      5. テスト情報および結果

        診断の実行が完了すると、テスト結果が表示されます。USBデバイスから起動した場合、各デバイスのログは自動的に保存されます。

        以下のいずれかの結果が表示されます:

        • PASS(合格)
        • FAIL(不良)
        • ABORTED(中止)

         

      6. ログ・ファイル

        USBデバイスからSeaToolsを実行している場合、ログ・ファイルは永久に保存できます。

        テスト結果は、ドライブのシリアル番号に基づいたファイル名で、自動的にログ・ファイルに保存されます。アプリケーションの使用中、右下のパネルのタブにこれらのログの内容がリアルタイムで表示されます。

        画面左上の小さな「x」アイコンをクリックして、SeaTools Bootableアプリケーションを終了して、ログを見ることもできます。ターミナル画面には、USBドライブにあるさまざまなシリアル番号ログの名前が表示されます。(実際のシリアル番号を使って)「more yourserialnumber.log」と入力すると、Linuxの「more」コマンドを使ってログを見ることができます。ログを読み終わったら、「q」キーを押すとコマンド・ラインに戻ります。SeaTools Bootableを再起動するには、コマンド「sudo ST4L --exitPowerOff」を入力します。(Linuxでコマンドを入力するときは、大文字と小文字を正確に区別して使用してください。)

      7. 終了

        プログラムを終了するには、メイン・メニューから [Exit(終了)] を選択します。実行すると、自動的にコンピュータがシャットダウンされます。シャットダウンされない場合は、コンピュータの電源ボタンを長押ししてください。