ジャイアントパンダのチチは1957年に捕獲されました。捕獲当時、チチはまだ1才にもなっておらず、北京の動物園に収容されました。世界自然保護基金 (WWF) のロゴはチチをモデルにしたと言われており、彼女のイラストはWWFがパンダという象徴的な種の窮状を世に知らしめる一助となりました。
チチが捕獲されてから60年近くがたった今、中国でパンダ保護区を380万エーカーまで拡大したWWFの英雄的活躍にも関わらず、生息する野生のジャイアントパンダはたった1800頭ほどです。以前からの未解決の問題に加えて、新たな人間による脅威とも戦えるように、保護活動家たちは新たな武器を手にする必要があります。SeagateとWWFは協力し合い、パンダとその生息地を守るために技術とデータをどのように活動できるかを実証しています。
ジャイアントパンダに対する脅威は、人間の活動からもたらされます。森林伐採や道路・鉄道による居住区域の寸断化が、パンダの捕食やオスとメスとの出会いを妨げています。ほとんど偶然のようなものですが、密猟もパンダの減少に拍車をかけます。
保護活動家にとって、課題は山積みです。主要な回廊(コリドー)でパンダが自由に動き回れるようにするためには、科学者たちがもっとパンダの習性と行動パターンを理解する必要があります。また、パンダはなかなか見つからないうえ、人里離れた地域に生息しているため、パンダを追跡して観察するのは困難です。また、あらゆる種類の脅威を特定し、分析しながら、人間による侵略の影響を監視できなければなりません。
保護活動にとってデータは極めて重要であるという信念を持つSeagateは、WWFと緊密に連携しながらパンダの習性と人間による侵略の影響について正確なデータを集めています。そのためのアプローチのひとつとして、100台のリモート赤外線 (IR) カメラを購入し、配置しています。これらのシステムには、監視専用ハードディスク・ドライブを装備したデジタル・ビデオ・レコーディング (DVR) アプライアンスが含まれています。これらの信頼性と機能性に優れたカメラ・システムは2015年6月に設置され、すでに動物たちの画像の撮影を開始しています。そして、地元の保護グループにパンダの習性や行動に関する重要なデータを提供しています。
それに加えて、Seagate-WWFプロジェクトは中国陝西省にある黒河国家森林公園で人間の行動を監視することを目的として閉回路テレビ (CCTV) システムも購入しています。これらのカメラが捉えた映像は、ツーリストや密猟者がどこから保護区域に入り、どのようにすれば指定区域に入られないようにできるかという分析結果とともに地元のグループに提供されます。
また、データがあれば、保護活動家が生息地の回復に力を入れることができるようにもなります。行動パターンに関する正確なデータを武器に、科学者たちは国道108号線区域で竹の植林により生息地を回復させ、お互いに離れて生息するパンダの交流を促す回廊作りに取り組んでいます。
SeagateとWWFは、絶滅危惧種を救うために技術を利用することにより、次世代の保護ツールを構築しています。Seagateの支援を受けて地域規模でパンダの保護活動によりコンセプトを実証しているWWFは現在、国レベルで結果を出せるように取り組みを行っています。さらに保護対象となる絶滅危惧種の数も増やしつつあります。
ジャイアントパンダが森からおびき出され、捕獲されることをCCTVシステムで防止できるかどうかは何とも言えません。しかし、現在の保護活動の課題に対してデータとソリューションを提供する技術を利用し、WWFとSeagateはこの威厳のある極めて象徴的な動物により明るい未来をもたらそうとしています。