ケース・スタディ

データ階層化ソリューション

気候研究機関がSeagateを使用して大量データの問題を解決しています。

拡張性を備えたSeagateのソリューションは、気候研究機関がデータの増大という困難な状況乗り越えるのに役立ちます。

中央研究院は、台湾の卓越した気候研究機関です。同機関の研究員は、今後4年間でデータ量が16倍増え、増加量の合計は10PBを超えると予測しています。シミュレーションに使用されるデータが増大する中、同チームでは、この状況に対応できる信頼性の高いデータ・ストレージを必要としています。汎用性と拡張性に優れたSeagateのソリューションなら、同機関の増大する需要を満たすことができます。

信頼性と拡張性に優れた大量データ・ソリューション

Seagateは、気候研究機関による膨大なデータを駆使したモデリングの取り組みをサポートします。

2050年までにネットゼロを達成することは、地球規模の課題として切迫さを増しています。台湾はこの目標を達成するため、積極的に気候変動関連の立法を推進するとともに、環境部門を再編し、ネットゼロへの移行を図っています。台湾で最も有名な研究機関である中央研究院のEnvironmental Change Center (RCEC) の気候チームは、関連する気候研究の一環として、Taiwan Earth System Model (TaiESM) を開発しました。

TaiESMは、世界気候研究計画 (WCRP) が資金提供する第6期結合モデル相互比較計画 (CIMP6) に参加しています。また、このモデルは国連の気候変動に関する政府間パネル (IPCC) の第1作業部会 (WGI) の第6次評価報告書 (AR6) で引用されています。TaiESMのシミュレーション・データは、Seagateのストレージ・システムを利用したデータ・ポータルを介して、各国の研究機関と共有されます。現在、RCECの気候チームは、国立台湾大学海洋研究所 (IONTU) をはじめとする多くの学術チームと協力して、TaiESMの物理・化学的プロセスの改善に取り組んでいます。

国内のニーズに密着した独立モデルの開発

お客様の目標

TaiESMの第1段階では、気候チームは国際的なデータ交換に成功裏に参加し、モデル性能のほとんどの評価においても上位にランクインしました。TaiESMの現在のバージョンは、米国のCommunity Earth System Model (CESM) をベースに構築されています。Anthropogenic Climate Change CenterのCEOであるHuang-Hsiung Hsu氏は次のように述べています。「独自のモデルを開発することで、当社独自の特徴、仕様、専門性、そして成功が1か所に集約されます。次の段階では、中核となるプログラムから内部モジュールまで、国内のニーズに密着した、真に台湾専用の完全に独立した気候予測モジュールを、台湾のチームで開発することを目標に、TaiESMの最初のバージョンの改良を続けていきます。」

モデルの基本的な開発に加え、TaiESMの改善には、TaiESMとの比較分析のために、他の国際気象組織によって生成された気候シミュレーション・データの収集も必要です。チームのもう1つの目標は、国際協力を通じて信頼性の高い気象予測とデータ有用性を実現し、普及させることにより、グローバル・プレゼンスを確立することです。このような存在になることで、中央研究院は台湾および世界における評判と評価を高め、国際的な連携やデータ交換の機会を増やすことができます。

 

データ・ストレージの需要は、今後4年間で10PB増加すると見られています。

お客様が抱える問題

TaiESMの気候チームには、モデリング用のデータの高い需要を維持するため、近い将来、10ペタバイト (PB) を超えるデータ・ストレージが必要です。既存のストレージ稼働率と限られたサーバー容量では、アプリケーションとワークロードの要件を満たすことができなくなっています。データ交換の頻度が増え、データ収集が改善されることで、常時オンの可用性、高速性、データ保護機能の向上が必要になります。

環境変動研究センターは、TaiESMの第2段階に向けて、データの増加と散在によって複雑さを増す構造化データの急増に対処しつつ、強力なデータ分析と高解像度に対応できるよう、より多くのデータ・ストレージ容量を必要としています。

既存のストレージ機器の容量、パフォーマンス、稼働率では、チームのアプリケーションとワークロードの要件を満たすことができなくなっています。より多くの研究データと分析レポートを処理できるように、将来に備えてストレージを拡張するためには、ストレージ機器を即座に拡張できる必要があります。

研究センターのデータは、一般的な研究機関の容量ではまったく足りないほど増大しています。気候変動研究センターの現在の研究データの容量は、約3 PBです。同センターでは、今後4年間で気候データの量が少なくとも更に10 PB増加すると予想しています。気候チームは、1日あたり最低2~4テラバイト (TB) のデータをシミュレートしています。また、同チームの要件では、サイロ化したデータではなくシームレスな気候データの交換が求められます。

同時に、モデリングの解像度を向上させることが切実に求められています。TaiESMの現行バージョンでは、研究の解像度として理想的ではありませんでした。地形や、台風などの気象条件を正確にシミュレートするため、同チームは画像の解像度を最低でも4倍にすることを検討しています。解像度を4倍にした場合、データ量は少なくとも16倍になります。

気象条件を現実的かつ実用的な方法で複製する場合、同チームのニーズを満たすことはさらに難しくなります。大きな問題となるのは、温度が陸から海へと変化する気象条件の、長期的な平均値を測定する場合です。テクノロジーの進歩により、ストレージ・ドライブの容量が増大し、コンピューティングの精度も向上しています。そのため、グリッド数を増やしたり、地球を細かく分割したりすることで、モデル予測を向上させるようになっています。処理する未加工データが増えるほど、利用できるリソースは増えますが、データを処理することでさらに多くのデータが生成されます。

最大25kmの視覚解像度を実現するために、同チームは1日あたり32TB~64TBのデータを作成しています。中央研究院の気候チームは、モジュール設定を継続的に調整および較正し、さまざまなモジュール設定ごとに生成されたデータを比較する必要がありますが、この作業によってさらに多くのデータが生成されます。同チームにとって、効果的で信頼性の高いデータ・ストレージは不可欠です。また、ハードディスク・ドライブの故障も重大な問題です。毎月4~10ユニットが故障し、多くの場合、高額な交換費用がかかります。

 

Seagateは、高速で信頼性と費用対効果に優れたデータ・アクセスを提供します。

お客様のソリューション

気候研究チームにとって、コールド・データはほとんどありません。中央研究院では、すべての気候データを保存できる永続的なストレージ・ソリューションを必要としています。予測、分析、予測と分析の修正、マルチモデル・データを、専用のデータ・サーバーの分散型ファイル・システムを介して利用できます。

データ量が急増する中、同チームはデータ・ストレージ容量、ストレージの効率性、ストレージの性能の要件だけでなく、ハードウェアの設置面積や関連施設の要件のような、目立たない要因も慎重に検討する必要があります。

Seagateの高密度データ・ストレージ・システムであるExos X Series 5U84は、気候チームの研究の現段階で、7GBと5.5GBというシーケンシャル読取りおよびシーケンシャル書込み性能を達成しました。また、Seagateの超高密度のインテリジェントなソリューションは、データ・センターのラック・スペースを75%縮小し、総所有コストを80%削減することで、同チームの期待を上回る成果を挙げています。さらに、SeagateのAdvanced Distributed Autonomic Protection Technology (ADAPT) は、ドライブの故障時におけるストレージのリビルド時間を93%短縮することに貢献しました。

気候研究チームは、Seagateの多目的アーキテクチャを使用して、リアルタイムのデータ階層化オプションでデータの急増に対応し、ホット・データとコールド・データを効率的に管理できる大容量の高性能プラットフォームを展開することを検討しています。中央研究院はSeagateのソリューションを使用することで、データへの自由なアクセスを維持しつつストレージを拡張するとともに、業務の簡素化とコストの最適化を実現できます。

 

高密度ソリューションによりコストを削減し、パフォーマンスを改善

お客様の成功

ダウンタイム、メンテナンス、ITコストを削減することで、TaiESMは気候予測の改良に専念し、パフォーマンスを犠牲にすることなくデータを管理できます。

Exos X 5U84のファイブ・ナイン (99.999%) の稼働率により、中央研究院は一貫して高い信頼性を提供することができます。最高密度の5Uシャーシには84台のドライブが格納されており、ドライブを336台に拡張することで最大8PBのストレージを利用できます。振動や音響による干渉、熱、電力異常などからドライブを保護することで、最高の性能を発揮します。ADAPTにより気候研究データをすべてのドライブに分散し、高度なデータ保護を提供します。また、パフォーマンスを犠牲にすることなく高速なリビルドを行うことで、ダウンタイムを削減できます。ダウンタイムを削減することで、製品のライフサイクルを延ばすとともに、修理や交換にかかるIT費用を削減できます。

ダウンタイムとITコストの低減により、TaiESMは気候予測モデルの改良に専念できます。全体的に見ると、Exos X Series 5U84は気候チームが大量のデータを効率的に管理し、ストレージ機器の高額なメンテナンス費用を削減するのに役立ちます。これにより、同チームは拡大を続ける国際コミュニティに対して、ミッションクリティカルな気候学モデルを提供することができます。

使用した製品

大容量、低遅延

Seagate Exos X 5U84は、最大限の容量、可用性、汎用性、およびパフォーマンスを実現する超高密度を提供します。

詳細をお知りになりたい場合

当社のストレージ専門家が、データ関連の問題解決に役立つソリューション選びをお手伝いします。