ケーススタディ

Mighty Car ModsがSeagateドライブでデータ・ストレージを高速化

「Mighty Car Mods」YouTubeチャネルが求めていたことは、データ・ストレージのモダナイズだけでなく、微調整が施されたエンジンのようにAVワークフローを実行し続けることでした。数十年ものあいだ「ドライブ」に携わってきたSeagate®は、チームのニーズに応え、今後も順調に稼働させ続ける力を備えていました。

19 6月, 2023

分(読取り)

はじめに

Mighty Car Mods (https://mightycarmods.com) は、友人同士であるBlair Joscelyne氏(視聴者にとってはMoogの方が馴染みがあるでしょう)とMartin (Marty) Mulholland氏の2人が2007年に作成したオーストラリアのYouTubeチャネルです。世界中の車愛好者に向けたチャネルで、車のレビュー、DIYチュートリアル、改造プロジェクト、ロード・トリップなど、バラエティ豊かなコンテンツを配信しています。このチャネルの特色は、限られた予算内で車を改造することへのこだわりで、これが多くの熱心なファン層の心を掴んでいます。 

Mighty Car Modsは、ビジネスとして幅広い手段で収益を得ています。チャネル登録者が3億人を超え、動画あたりの再生数が数十万回にのぼる同チャネルの主な収入源の1つは、YouTubeからの広告収入です。また、Mighty Car Modsは関連商品の販売からも、補助的な収入を得ています。さらに、車部品メーカーや自動車メーカーなど、複数のスポンサー契約を結び、スポンサー企業商品の紹介やスポンサー提供コンテンツの配信も手がけています。

お客様のストーリー

Mighty Car Modsの使命は、自分たちが自動車や技術に向ける情熱で視聴者を楽しませながら、ためになる情報を発信すること、そして、他の人たちに実際に手を動かし、自分の車について理解を深めるよう促すことです。

共同ホストのマーティン・マルホランド (Marty Mulholland) 氏によると、ブロードキャストはYouTubeによって大きく変化し、すぐに人気を博したように思える大きなチャネルも、その多くは1つのアイデアと最低限の技術から始まったと言います。オーストラリアで最も再生回数の多い自動車番組に成長したMighty Car Modsも、MartyとMoog、1台のカメラ、1台のノートPC、数個のツールだけで、シドニー郊外にある家の前で始まりました。

マルホランド氏は次のように語ります。「撮影から、編集、ボイスオーバー、データ整理、アップロード、公開まで、そのすべてが16年ほど経った今より当時はずっと難しかったのですが、なんでもしました。手に入る技術の限界に常に挑んできましたが、予算は限られていました。720pビデオを内蔵ハードディスク・ドライブに撮影するカメラから、今では高ビットレートの4Kを撮影するようになり、このような大きな動画カタログを管理するための適切なストレージを見つけなければなりません」

Mighty Car Modsの視聴者は楽しくてためになる動画を求めている、とマルホランド氏は指摘します。当初はDIYプロジェクトを中心とした番組でしたが、ロード・トリップや、視聴者が自分の車に手を加えたり、使ったりするためのインスピレーションをかき立てるような内容に変わっていきました。視聴者にとっては、娯楽にもなり、役に立つ技術背景をしっかりと取り上げる高品質な動画が定期的に配信されることが重要です。 

高品質の動画を制作し続けるには、Mighty Car Modsのビジネスとしての運営が欠かせません。クリエイターの2人は、番組でそのコストをまかなう必要があること、そして車の組み立ての複雑化、ロード・トリップの頻度の増加、動画の管理制作に必要な技術の価格高騰により、発生するコストが少しずつ増えていることに何年も前に気がつきました。彼らの短期的な目標は、目の前のコストをカバーすることでした。長期的なニーズは、高品質な動画を制作する柔軟性を確保するために、シドニーの自宅ガレージのような撮影場所を見つけることでした。

2人は、自分たちの作業環境がいかに急速に変わっているかを指摘しました。

マルホランド氏は次のように語ります。「人々がスマートフォンでコンテンツを視聴するようになり、突如として画面を90度回転させなくてもよくなりました。そして、デスクトップでの視聴が急減するなかで「バーティカル時代」に突入しました。私たちはこのような変化に遅れずについていきながらも、初心を忘れないようにしています」

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お客様の目標

マルホランド氏は次のように言います。「私たちのストレージ・ニーズに合った、安定的で、信頼性と拡張性のあるソリューションを導入することが目標です。つまり、トラブルシューティングにかかりきりにならずに、クリエイティブ・コンテンツの配信を増やせるようにすることです。ダウンタイムが減ると、視聴者を楽しませるための仕事を増やせますから。」

Mighty Car Modsは、ワークフローを改善しつつ、メンテナンスの時間とコストを減らす方法を探しました。また、マルチユーザーの処理、ドライブへの適切なアクセスに十分な高いパフォーマンス、大きな帯域幅を備えたネットワーク・インターフェイスの提供を持ち合わせた、頑丈なプラットフォームに動画ライブラリを保存しようと考えました。何か不具合が生じたときに、簡単かつ迅速にその問題を管理できるように、冗長性オプションも必要でした。 

マルホランド氏は、以前使っていたNAS設定に弱点があったのではないかと推測しました。その理由としてはまず、デスクトップグレードのドライブを使っていたこと、2つ目は大規模なライブラリを管理するための目標だった、マルチユーザーの集中管理型編集環境向けの設定ではなかったことが挙げられます。マルチユーザーの編集環境では、集中管理型のデータ(動画映像、オーディオなど)があることで効率が大幅に上がります。

「編集で何より重要なものは流れです。技術的なハードルを絶えず越える必要がある場合、独創性が下がってしまいます」とマルホランド氏は指摘します。 

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お客様が抱える問題

マルホランド氏はこう語ります。「大量のデータには大きな責任が伴います。私たちのケースでは、動画としてマッシュアップされインターネット上に公開される、1と0の組み合わせのデジタル・データに大きな価値があります」

設立当初はDVDのバックアップ、外付けLaCieハードディスク・ドライブ、基本的なマルチドライブ・ライブラリだったものが、NAS設定に姿を変えました。それでも、当時のMighty Car Modsチームは、自分たちのソリューションが十分ではないと考えていました。データ損失はありませんでしたが、セットアップが非効率で管理が難しくなる一方でした。

マルホランド氏は、カスタムのエンクロージャ、ファームウェア、OSシステムを使って基本的なNASセットアップをいくつか試験的に構築し、これがハードディスク・ドライブへのこれまでの投資を活かす最適な方法だと考えていました。基本的な消費者レベルのNASシステムを使ってうまくいくときもありましたが、常にそうではありませんでした。

マルホランド氏は次のように言います。「番組開始以来ずっと所持し続けてきた、自分たちが制作したライブラリのビデオ・クリップが今でもすべて揃っているのは運が良かったのです。私は音響工学に携わってきたので、高価なレコーディング・セッションのデータ損失が自分の職業上の安定にとって大きなリスクであることを早い段階で学び、常に気を付けてきました」

「ここでの最悪の結果は、何時間もかけた作業を失うことです。編集ソフトウェアは常にファイルを更新するので、通常は問題が起きません。しかし、繰り返しますが、停滞が独創性に影響を与え、編集に追加するユーザーが増えるほど、状況は悪化します。それだけでなく、私が車の技術者や編集者、制作者、ディレクターではなく、ITマネージャーとして割く時間が増えてしまいます」とマルホランド氏は指摘します。 

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お客様のソリューション

Mighty Car Modsは、数年をかけて48台のSeagate IronWolf®ハードディスク・ドライブをSSD DASシステムとともに購入しました。また、最近になって、Exos® AP 2U12システムも導入しました。

SeagateのExos AP 2U12ストレージ・サーバーでは、ハイパフォーマンス・コンピューティングと最先端の大容量ストレージが1つのシステムに統合されています。優れたコントローラ属性、機能、パフォーマンスと12個の高密度ドライブ・スロットでスペース効率に優れた展開を実現します。

これらの新たなソリューションをインストールしたMighty Car Modsチームは、チームの部分的な長期稼働向けのSPF (Small Form-Factory Pluggable) インターフェイスへの移行や、クライアント・マシン向けの新しい銅線など、インフラストラクチャにさらなる改良を加えました。 

消費者グレードのNAS全体にSeagate IronWolfドライブを装備し終えたときに、使いやすくなっていたことから、自分の方向性が正しかったことが証明された、とマルホランド氏は振り返ります。速度またはドライブの耐久性に関するハードウェアの問題は解消しました。しかしその代わりに、SMBの導入が若干不安定だったことから、ネットワーク・スループットの制限またはソフトウェアの制限に達し、ネットワーク共有が中断されるという事態に直面しました。

「10年以上も前からSeagateドライブを購入しています。もともとは4K動画を編集するために必要な速度が目当てでしたが、故障することがないのでずっと使い続けています。1台のドライブが故障の寸前だったときには、問題を解消するための警告とバックアップ戦略がいくつも用意されていました」とマルホランド氏は言います。

Mighty Car Modsチームは、オーストラリアのSeagateチームと良好な関係を維持していると語ります。

マルホランド氏は当時を次のように思い返します。「技術的なセットアップの裏側を公開した後にSeagateから連絡があり、役に立つかも知れないという製品をいくつか提案されたのが最初です。その段階では、直接接続型ストレージの編集スイートを使っていました。大容量SSDを提案されたので、今まで使ってきたストレージ・システムのなかで最速のRAIDアレイに導入しましたが、サーバーベースの編集に切り替えるまで問題なく稼働していました。それ以来やり取りが続き、バックアップだけでなく編集向けのNASシステムに切り替えたことをSeagateチームに伝えたときに、SeagateのExos 2U12システムを使ってはどうかと提案されました」

Mighty Car Modsチームはある時点では、代わりに、完全にDIYのソリューションを検討していました。しかしながら、そのようなシステムをセットアップする最適な方法についてしっかり理解するにはさらに時間がかかっていたと想定され、必要とされるストレージとパフォーマンスのレベルで、その道に進むのは相対的に高コストになることがわかっていました。また、彼らは、同じ状況にある人をターゲットに、編集ハードウェアおよびソフトウェアのパッケージを作成するベンダーにも目を向けました。しかし、一見良さそうにだったものの、少し詳しく調べるとハードウェア自体はごくごく基本的なものだったとマルホランド氏は指摘します。

「ソフトウェア部品の実際のコストではなく、主に利益構造の一部である「追加料金」の影響を大きく受けることなく、ニーズに合わせて拡張できるもっと柔軟なソリューションが欲しかったのです」

マルホランド氏は、自分たちの実装は非常にわかりやすいものだと考えています。必要としていたのは、チームのApple OSベースのシステムが接続できるSMB共有をホストするソリューションです。編集ソフトウェアが使うライブラリそのものに加えて動画とオーディオをサーバーが保管することで、すべてのワークステーションでライブラリを開くことができます。ファイルを探したり、再接続したり、あるいは壊れたリンクをたどって時間を無駄にする必要はありません。

このストレージ・アップグレード・プロジェクトの一環として、マルホランド氏は自身がネットワーク・インフラストラクチャ自体の基本に立ち返ろうとしていることに気づきました。

「ニーズが変わるたびに、もう何年もこのネットワークを部分的にアップグレードし続けていますが、Exosシステムは大きな手間もなく合わせてくれています」

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これにより、ストレージ統合のセットアップ、IPの割り当て、プールやボリューム、共有、ユーザーの追加が可能になり、マルホランド氏は「ずっとこのままにしておきます」と満足げです。

お客様の成功

マルホランド氏にとって、Seagateでデータ・ストレージをアップグレードする前後での最大の違いは安定性が向上したことです。

「私は消費者グレードの機器を限界まで使っていました。これは、ひとたび故障やネットワーク停止が起きるまでは、あるいはデータ損失によって時間と資金が余計にかかるまでは、コストパフォーマンスが高くなるかも知れません。小規模ビジネスの事業主として何より嬉しいのは、戻ったときにサーバーがまだ稼働しているか、RAIDカードから音がしていないか、ボリューム・セットが延々と再構築していないかと心配する、精神面の負担が減ったことです。RAIDセットアップに苦戦中はほとんど睡眠も取れないITマネージャーのように感じることはなくなりました」とマルホランド氏は語ります。 

さらに、マルホランド氏とMighty Car Modsチームは、Seagateストレージの拡張性は大きなメリットだと考えています。

「これは、もっと多くのデータを消費する機器がより多くのストレージ容量を消費するようになるにつれ、私たちに合わせて拡大するシステムです」

データ・ストレージを無事アップグレードできたMighty Car Modsチームは、同じことをしたいと考えているクリエイティブ・コンテンツ制作組織に次のアドバイスを提案しています。

マルホランド氏の助言は次のとおりです。「安定性のない、または不適切なシステムのコストをしっかりと精査すること。理解しやすい基本的なシステムを使っていると、プログレードまたはエンタープライズグレードのソリューションは、気が遠くなるようなステップアップのように思えるかも知れません。ひとたび安定性、速度、拡張性のメリットを理解すれば、ダウンタイムを何時間も削減でき、技術がデータ損失やクリエイティブ・コンテンツ低迷の原因となるのを防ぐことができます。」

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10年以上も前からSeagateドライブを購入しています。もともとは4k動画を編集するために必要な速度が目当てでしたが、故障することがないのでずっと使い続けています。1台のドライブが故障寸前だったときは、問題を解消するための警告とバックアップ戦略がいくつも用意されていました。

マーティン(マーティー)・マルホランド氏

Mighty Car Mods共同設立者/共同ホスト

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