Seeing Machinesのケーススタディ
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Seeing Machines (https://seeingmachines.com)(本社:オーストラリア、キャンベラ)は、ドライバーの安全な帰宅を支援するテクノロジーを創造しています。世界保健機関 (WHO) によると、操作や判断の誤り、不注意、危険な挙動、予測不可能な出来事、または危険な状況によって引き起こされる交通事故が原因で、毎年約135万人が死亡(2,000~5,000万人が負傷)しています。Seeing Machinesは、カメラベースのドライバー/オペレーター安全監視技術の支援によってこうした事故を回避できると考えており、人の動きや状態の実測データをもとに意思決定を行うヒューマン・データドリブンの技術を活用して、安全性を高め、重大事故を減らして、交通事故死ゼロを達成することを目指しています。
ドライバー・モニタリング・システム (DMS) 技術を牽引するSeeing Machinesは、商業貨物輸送およびロジスティクス、自動車、航空の3つの主要産業に注力し、英国、ヨーロッパ、アフリカ、北米、中南米、アジア/太平洋の成長市場にサービスを提供しています。
Seeing Machinesは、オーストラリア国立大学のスピンオフ・プログラムとして2000年に創設されました。Volvo Technological Developmentと協働で予防安全性能の高い車両の設計に役立つドライバー・モニタリング・システム (DMS) 技術を開発しています。DMS技術は、今後すべての車両への搭載が義務化されます。ミッション・クリティカルな用途に注力するSeeing Machinesは、最先端のソフトウェア、ハードウェア、システムを設計、製造、販売しており、これらはさまざまな業界の世界に名だたるブランドで採用され、信頼を得ています。
輸送やロジスティクスの安全性を脅かす最大の要因(危険)は、過労と注意散漫です。Seeing Machinesは、自社で開発したドライバーの過労と注意散漫を検出する技術が過労に関連する事故を90%以上減少させたことが科学的に証明されていると自負しています。Guardianは、ドライバーの過労や注意散漫による危険を減らす上で、安全性だけではなく、効率性、コスト、規制などにも関心を持つ車両運行管理会社や商用車メーカーを支援するために同社が提供を開始したアフターマーケット・ソリューションです。
Seeing MachinesのGuardianには、数十億キロメートルにも及ぶ実走行から収集されたデータに基づく技術が活用されています。2024年5月までに、160億キロメートルを超える走行のモニタリングが行われ、12か月という期間中に1,800万件を超える注意散漫な運転と37万1,800件を超える過労運転が検出されました。Guardianのドライバー・セーフティ・システムに搭載された人工知能 (AI) への入力と検出アルゴリズムの改善には、データの収集と処理が不可欠です。
最近、Seeing MachinesはGuardianソリューションが欧州連合 (EU) の一般安全規則 (GSR) に準拠していることを評価するための独自テストを開始しました。ここで重要な要件となっていたのが、テスト段階でデータを正しく記録できることでした。
EU安全規則のテスト要件を満たすために、Seeing Machinesは、最初にデータを収集して、それを同社のAWSアカウントに最も迅速かつ効率的な方法で移動するのを支援する技術パートナーを探していました。
Seeing Machinesには、2つの課題がありました。1つ目の課題は、車室内で取り込まれたデータを安全かつ効率的に保存できる技術的な解決策を特定することでした。2つ目の課題は、データをクラウドに迅速に移動することでした。Seeing Machinesは自社のデータをオーストラリアのAWSアジア・パシフィック(シドニー)リージョンに保存しています。重要なデータをエンジニアリング・チームが処理し、関連するアルゴリズムを微調整するには、そのデータをAWSに迅速に移動させる必要があります。
最終的にSeeing Machinesは、Seagate Lyve® Mobileのサービスとしてのデータ転送を採用し、Lyve Mobile ArrayハードウェアとSeagates Cloud Importサービスを活用することにしました。Seagateはストレージ・ハードウェアの世界的なプロバイダとして周知されているかもしれませんが、Rescueデータ・リカバリ、Lyveプラットフォームを利用したデータ転送やクラウド・インポート、Lyve Cloudに含まれる独自のS3互換オブジェクト・ストレージなど、さまざまなデータ関連サービスも提供しています。
Seagateソリューションの採用を提案したのは、Seeing Machinesがスケーラブルな車室内データ収集システム向けの商用オフザシェルフ (COTS) ハードウェアとソフトウェアを提供するために提携したNational Instruments (NI) です。
この取り組みを推進するにあたり、Seeing Machinesは、車両で生成されたデータを複数のディスク・ドライブに保存してから郵便でオーストラリアに送り返すなど、いくつか別の案を検討していました。しかし、Lyve MobileとCloud Importを使用するのと比べ、はるかに時間のかかるものだったことから、データがエンジニアリング・チームの手に渡るまでの遅延を最小限に抑えるために、こうした手段の採用を見送りました。
Lyve Mobile Arrayにより、車室内データの取得と保全に最適な技術を探すという当初の課題が解決しました。Seagateのデバイスは、高速PCIe接続を使用してNational Instrumentsのデータ記録環境とシームレスに接続します。Lyve Mobile ArrayがNI PXIのテストおよび測定プラットフォームと容易に統合できることは、Seeing Machinesにとって大きな差別化要因となりました。Lyve Mobile ArrayはNI PXIシャーシと直接接続できるだけでなく、接続しているGuardianユニットからの未処理のビデオを記録するカメラ・インターフェイス・カードもホストします。NI PXIからの未処理のビデオ・カメラ・フィードは、Lyve Mobile Arrayに記録されます。独自テストを実施している車両には、これらすべてを統合したシステムが搭載されています。
車室内データの課題は解決しましたが、スペインで生成された車両のリモート・データをクラウド経由でオーストラリアのSeeing Machinesエンジニアに可能な限り迅速に届けるという次の重要な課題が残されていました。Seagateは、ベンダーに依存しない統合型クラウド・インポート・サービスで、Seeing Machinesのニーズを再び満たしました。クラウド・インポートは、Lyve Mobile Servicesの追加機能で、顧客は現場からあらゆる主要パブリック・クラウドへのデータ・インジェストを容易に加速できます。これはTime to Data (TTD) が欠かせない特殊な環境で大量のデータを大量に移動させるようなデータ・ハングリーでたくさんのデータを必要とする業界の組織にとってはゲーム・チェンジャーです。
ベンダーに依存しないSeagateのクラウド・インポート・サービスは、世界中にある広範なネットワークのインジェスト・ポイント(ホットスポット)を活用できます。Seeing Machinesのケースでは、Lyve Mobile Arrayをスペインのデータ収集サイトから国内の最寄りのホットスポットに輸送し、そこからLyve Mobile Arrayの数テラバイトのデータをAWSにインポートします。このプロジェクトでは、Seagate Lyve Mobile/クラウド・インポート・ソリューションにより、現場のデータを収集し、デバイスを輸送して、(AWSアクセス経由)でオーストラリアの顧客がそのデータにアクセス可能となるまでを48時間未満に収めました。
Seeing Machinesが考えるLyve Mobileとクラウド・インポートの導入の成功とは、収集したデータを安全かつ迅速にオーストラリアのエンジニアの手に届けることでした。Seagateのインジェスト施設に到着したデータを、そこから8時間かからず、データ・ロスなしにSeeing MachinesのAWSバケットに移動させることができました。
Seeing Machinesが第3世代となる最新のGuardianを世界各地の顧客に紹介する際には、EUのGSR関連の独自テストに合格したことを主張できます。
Seeing Machinesは、車両データを効率的に収集して分析・AIセンターに転送し、アルゴリズムを改良することで、交通事故死ゼロを達成したいと考えています。同社は、クラウド・インポート・サービスとLyve Mobileに関して、引き続きSeagateと協力し、全体の生産性を向上して、今後より多くのテストおよびデータ収集構想を実行に移す予定です。
「Seagateチームとの協働作業はとても満足できるものでした。我々のビジネス・ニーズに積極的かつ敏感に応えてくれる人ばかりで、Seeing Machinesの成功のために尽力してくれましたし、初めてのことを成功に導いてくれたオンサイト・サポートには感謝の気持ちで一杯でした。Lyve Mobileのサービスとしてのデータ転送モデルも、コストを予測しやすくしておく上で最適でした。コストを管理しつつ、Seagateのインフラストラクチャによるメリットを得られたのは、OpExモデルのおかげです。」
当社のストレージ専門家が、データ関連の問題解決に役立つソリューション選びをお手伝いいたします。