ハードディスク・ドライブの音の意味を聞き分ける方法

 

この記事では、SeagateまたはLaCieの外付けハードディスク・ドライブから聞こえてくる可能性のあるさまざまな音と、それぞれの音が表すドライブの動作や状態についてご紹介します。 

普段、外付けハードディスク・ドライブを使用していると色々な音が聞こえてきますが、これはいたって正常なことです。また、環境要素が音知覚に影響を与えることもあります。

  • つまり、静かな部屋ではHDDの音が大きく聞こえるということです。 

  • 音を増大させるような表面の上にHDDを置いている場合もあるかと思います。

  • それ以外にも、音を響かせるような要素がHDDの近くに存在することもあるでしょう。


:ハードディスク・ドライブ (HDD) には回転する部品が使われているため、音が鳴ります。ソリッド・ステート・ドライブ (SSD) には可動部品はなく、通常他のドライブよりも静かに動作します。

 

本書では、ストレージ・デバイスから聞こえてくる可能性のあるさまざまな音についてご紹介します。以下のトピック一覧とダイレクトリンクをご覧ください。

 

トピック
通常音 
正常なHDDから必要以上に音が鳴らないようにするには
異常音
異常音がするドライブのトラブルシューティング
 

 

 

通常音

 

通常、ドライブ・モーターの回転スピードが速いほどノイズのピッチが高くなるため、ブーンと低い音が出る可能性が高くなります。ハードディスク・ドライブ、特に3.5インチ・ドライブは、音が鳴ることがよくあります。かねてからドライブはある程度のノイズを発するものですが、通常の使用中でも例外はあります。

データを読み取ったり書き込んだりする際、ドライブから「カタカタ」や「カチカチ」といった音が聞こえることがあります。これは、ドライブが動作していることを示す音です。さらに、一部のドライブはオフライン・スキャンを実行することがあり、読み取りや書き込みを積極的に行っていない場合でも同様のノイズを出すことがあります。

通常の使用中にハードディスク・ドライブから聞こえる可能性のある音には以下のようなものがあります。

  • HDDがデータの読み取りまたは書き込みを行っている間、ディスクのプラッタは速いスピードで回転します。通常、これによってブーンという音が鳴り、HDDの動作が始まるときと終わるときはさらに音が大きくなります。ユーザーが積極的に使用していなくても、例えば自動索引作成など、バックグラウンドでコンピュータがハードディスク・ドライブを使用していることがよくあります。
     

  • データの読み取りと書込みを行うHDDのヘッドもまた、常に素早く動いています。これによって使用中にカチカチと小さな音が鳴ることがよくありますが、例えばシャットダウン時やスリープモードに入るときなど、ヘッドが停止するときは特にカチッというはっきりとした音が鳴ります。
     

  • 例えば複数台のハードディスク・ドライブが搭載されているデバイスなど、外付けドライブのエンクロージャの中には内蔵ファンが付いているものがあります。これもまた音が生じる原因ですが、高温の環境ほどファンが動作しやすくなるため、音が特に大きくなります。先ほど説明したHDDのブーンという音と同じような音です。
     

  • HDDは回転するとき振動します。机の上にHDDを置いている場合、この振動が机の上の他の物や机自体に伝わって音を発することもあります。
     

  • 外付けHDDに専用の電源がある場合、電源が古い場合は特に、電源から小さなブーンという音が鳴ることがあります。
     

  • エンタープライズクラスのHDDは、高い性能と信頼性を発揮するよう設計されています。しかし、高性能であるが故に標準的なドライブよりも大きな音を発することがあります。
     

  • 音の大きさは使い方によっても異なります。例えば、暗号化ボリュームに新しいデータを書き込む場合、標準ボリュームに書き込む場合よりも大きな音がします。 
     

  • エンクロージャに複数のHDDが搭載されている場合、大きな音が発生する可能性が高くなります。これは、大型のRAIDデバイスでよく起こります。

 

 

正常なHDDから必要以上に音が鳴らないようにするには

 

  • 外付けHDDを壁の近くに置かないでください。外付けHDDデバイスは通常、ユーザーから遠ざけるように、背面から「音を押し出す」よう設計されています。しかし、壁に近すぎると音が跳ね返ってくる可能性があります。
     

  • 外付けHDDが机に直接触れないようにしてください。一部の材質には特に注意が必要です。例えば木製の机の場合、音波が木の中を伝わり、スピーカーのような役割を果たします。こうした状況では、可能な限りドライブが机に直接触れないようにしてください。例えば、ゴム製のマットや振動吸収パッドなどを使用します。
     

  • 作業環境からドライブを離すほど、不快な音がする可能性は低くなります。付属のケーブルが短すぎる場合は、市販の長いケーブルを購入することもできます。
     

  • ドライブを積み重ねると音が大きくなることがあるため、お勧めしません。
     

 

異常音

 

以下は、HDDが発する異常音で、問題の可能性を示す音です。ハードディスク・ドライブからこうした音が聞こえたら、ドライブ上の重要なデータをすぐにバックアップしてください。

  • ドライブからきしむような音や引っかくような音が聞こえてきたら、音の程度にもよりますが、それ以上使用を続けるとディスクプラッタに物理的な損傷が及ぶ可能性があり、データがリスクにさらされることになります。対応について、Data Recovery Services(データ復旧サービス)にお問い合わせいただくことをお勧めします。
     

  • ドライブが回転している間はわずかな振動が発生するものですが、ドライブに欠陥があると、大きく異常な振動が発生することがあります。可能であれば複数のドライブを比較して、基準となる正常な振動を把握しておきましょう。不規則な振動にも注意が必要です。正常なドライブは、規則的なペースでわずかにブーンという音を発します。
     

  • 先ほど説明した通り、ヘッドが停止状態に入るときにカチッというはっきりとした音が鳴ることがあります。しかし、カチッという音が続く場合や、金属などがぶつかり合う(きしむ)ような音を伴うときは、ドライブに物理的な問題が生じている可能性があります。可能であれば、他の正常なドライブと比較してみてください。
     

  • 外付けHDDに専用の電源がある場合は、先ほど説明した通り、小さなブーンという音が聞こえます。ブーンという音が顕著な場合やドライブからパチパチという音が聞こえる場合は、電源がドライブに十分な電力を供給できなくなっている可能性があります。また、ドライブが回転(振動)しなくなっている場合もあり、モデルによっては断続的かつ規則的にビープ音を発することもあります。
     

  • 外付けハードディスク・ドライブがビープ音を発するのは、問題があるときだけです。通常、1回のビープ音が断続的に鳴る場合は、ドライブに十分な電力が供給されていないことを示します。専用の電源がある場合は、互換性のある別の電源で試してみてください。USBまたは別のインターフェイスで電源供給を行うデバイスの場合は、インターフェイスケーブルが破損している可能性があるため、別のケーブル、ポート、コンピュータで試してみてください。これ以外のビープ音とその意味については、各ドライブモデルのユーザーガイドをご参照ください。

 

異常音がするドライブのトラブルシューティング

 

重要:使用中にドライブからきしむような音が聞こえる場合は、長期的な使用によってドライブのプラッタに物理的損傷が生じている可能性があります。ドライブに重要なデータが保存されている場合は、トラブルシューティングを実行する前にすぐにData Recovery Services(データ復旧サービス)にお問い合わせください。
 

  1. ハードディスク・ドライブまたはコンピュータのどの部分から音が出ているかご確認ください。これは、ドライブをシステムから完全に切断してみて、コンピュータから音が聞こえるかどうかをチェックすることで確認できます。

 

  1. 電源ケーブルやインターフェイスケーブルを含め、他にケーブルがあればすべて取り換えて試してみてください。テストに使用する電源は、ストレージ・デバイスと互換性のあるものをお使いください。

 

  1. ドライブから音が鳴っているかどうかを確認するために、別のシステムでもドライブを試してみてください。可能な場合は、元のコンピュータとドライブを別の場所に移動させて、音が小さくなるかどうか確認してみてください。

 

  1. SeaToolsを使ってドライブをテストすれば、最も正確な結果を得ることができます。

:SeaToolsはWindows専用です。

 

  1. HDDに異常がなく、デバイスに専用ファンが搭載されている場合は、圧縮空気を使ってエンクロージャ、特にファンを念入りに掃除すると、音が気にならなくなることがあります。ファンの交換も選択肢のひとつです。

:一部のデバイスを除き、ファンの交換はSeagateまたはLaCie、あるいは認定サービス修理センターでのみ承っております。

 

  1. ファンが搭載されているデバイスは、ストレージ・デバイスの冷却時に大きなノイズを感じることがあります。密閉された空間にデバイスを置かないようにして、ファンが塞がれていないか、また、自然な空気の流れがあるかを確認してください。

 

  1. 過度な振動によって音が出ていると思われる場合は、エンクロージャが安定しているか、また、緩んでいるネジやボルトはないかを確認してください。エンクロージャが不安定で小さな振動が発生すると、音の原因となることがあります。

 

  1. 電源が付属しているデバイスの場合は、電源を別の場所に移動させて、音が小さくなるかを確認してください。

 

  1. 反響によって音が発生しているかを確認します。エンクロージャを持ち上げて、音が小さくなるかを確認してください。このテストは、持ち上げられるほど軽いデバイスでなければ実行できません。マルチドライブ・デバイスは、重くて持ち上げられない可能性があります。