Seagate NAS OS 4.0 - iSCSIターゲットの設定と接続方法

NAS OSを使ったiSCSIターゲットの構成と接続方法を説明します。

本記事では、NAS OSを使ったiSCSIターゲットの構成と接続方法を説明します。 

iSCSIは、「Internet Small Computer Systems Interface」の略です。iSCSIは標準SCSIストレージ・インターフェイスの拡張子で、SCSIコマンドをIPベースのネットワークに送信することができます。これにより、直接コンピュータに接続されたドライブにアクセスするのと同じ方法で、コンピュータがネットワーク上のiSCSIターゲットにアクセスすることが可能になります。 

Windows 78、またはその他のWindows PCからiSCSIターゲットに接続するために、Microsoft iSCSIイニシエーターが使用されます。Seagate NASホスト名またはIPアドレスを使えば、iSCSIイニシエーターをiSCSIターゲットに接続できます。IPアドレスを使って接続する場合、事前にNASに固定/マニュアルIPアドレスを設定しておくことをお勧めします。           

[NAS AdministrativeNAS管理者)ページの [Network(ネットワーク)セクションへ移動し、固定IPアドレスを設定します。             

Seagate Network Assistantを起動し、[Web access to the NAS OS DashboardNAS OS Dashboardへのウェブ・アクセス)ボタンを押すか、ウェブ・ブラウザのアドレス・バーに機器のIPアドレスまたはホスト名を入力して、Seagate NASの管理者ページにアクセスします。 

iSCSIプロトコルはNAS OS 4.0製品で利用可能ですが、以下の通り機能に制限があります。

  • LUN1つのターゲットにのみマッピングが可能.
  • ボリュームで作成されたLUNファイル・モードのみ。   
  • LUNブロック・モード非対応。            

LUNファイルは常にターゲットに添付されるため、ターゲットを作成するとLUNファイルも作成されることになります。ターゲットなしにLUNファイルは存在できません。 

iSCSIターゲットの作成

  1. [NAS WelcomeNASへようこそ)ページに管理者または管理者権限を持つユーザとしてログインします。
  2. [Home(ホーム)ページで、[Device Manager(デバイス・マネージャ)アイコンをクリックします。
  3. 左の選択一覧の [Storage(ストレージ)から [Volume(ボリューム)を選択します。
  4. [Associated iSCSI(関連iSCSIターゲットの下で [Add iSCSIiSCSIの追加)ボタンをクリックします。
  5. [Create new(新規作成)を選択し、[Next(次へ)をクリックします。
  6. 容量と [Advanced parameters (optional)(詳細パラメータ(オプション))を設定し、[Next(次へ)をクリックします。           

iSCSターゲット容量は、合計8TBまたはNASの空き領域に制限されています。                    

iSCSI 詳細パラメータに関する注意: 

Header Digest(ヘッダー・ダイジェスト)データ保全性を向上させ、プロトコル・データ・ユニットのヘッダー部分の有効性を確認します。 

Data Digest(データ・ダイジェスト)データ保全性を向上させ、プロトコル・データ・ユニットのデータ・セグメントを検証します。 

Multiple Sessions(複数のセッション)単一のiSCSIターゲットに複数の接続を行うためのものです。データの破損や損失を避けるために、必ずクラスタ環境で動作させてください。 

CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) - 一方向および相互CHAPMicrosoft iSCSIイニシエーターとターゲットの認証ができます。 

Authorized IQN(認定IQN- IQN (iSCSI qualified name) の略です。IQNは物理的な場所に関係なく、特定のiSCSI要素を識別します。IQNは、iSCSIターゲットを使用しているWindows OSiSCSIイニシエーターの中にあります。           

WindowsサーバやワークステーションのIQNが認定IQNとして割り当てられた場合、iSCSIターゲットに接続できるのはそのシステムだけです。

  1. [Finish(終了)をクリックして、選択内容を確定します。

iSCSIターゲットが作成されたら、「disconnected(切断)」と表示されます。[Edit(編集)ドロップダウン・メニューにはiSCSIターゲットの削除、編集オプション、またはエクスポートがあります。             

オプションにより、名前、IQN、説明の変更や、複数セッションの有効化や無効化、CHAP、認定IQNの追加や削除が可能となります。 

[Export(エクスポート)オプションでiSCSIターゲットをバックアップとしてエクスポートできます。 

[Delete(削除)iSCSIターゲットを削除できます。 

iSCSIターゲットへの接続

  1. 新規iSCSIターゲットに接続するローカル・ネットワーク上のWindows Workstationに移動します。コントロール・パネルを開き、[Administrative Tools(管理ツール)を選択してから、iSCSIイニシエーターを開きます.
    この例では、Windows 8 WorkstationiSCSIイニシエーターを使って、NASホスト名でiSCSIターゲットに接続します。
  2. [Target(ターゲット)欄にNASホスト名を入力して、[Quick Connect(クイック接続)をクリックします。
  3. [Quick Connect(クイック接続)ウィンドウが開き、[Connected(接続)と表示されます。
  4. [Done(完了) [OK] をクリックして、イニシエーターを終了します。
  5. Windowsが「You need to format the disk in drive...(ドライブ内のディスクをフォーマットする必要があります...)」とプロンプト表示した場合、     

[Format disk(ディスクのフォーマット)をクリックしてください。             

初めてiSCSIターゲットに接続する場合は、デフォルトはGPTパーティションとなりフォーマットが必要になります。           

Windows Diskpartを使って、iSCSIドライブを消去することができます。必要に応じて、[Disk Management(ディスクの管理)MBRに再初期化できます。 

これで、iSCSIドライブを使用できるようになります。 

LUNオプションのエクスポートの使用 

このアクションにより、管理者ユーザは特定のターゲットに添付されているLUNファイルの内容をエクスポートできます。 

8TB iSCSIターゲットが作成され、25GBのデータしかない場合でも、8TB LUNファイルすべてがエクスポートされます。このプロセスには時間がかかります。

  1. [NAS Device ManagerNASデバイス・マネージャ)ページの [Storage and Volume(ストレージとボリューム)から、iSCSIターゲットの横にある [Edit(編集)ボタンをクリックし、ドロップダウンで [Export(エクスポート)をクリックします。 

    NASに接続されたUSBドライブを含むNAS上の共有の一覧を示すボックスが開きます。
     
  2. LUNファイルを保管する場所を参照してから、[Save(保存)をクリックします。スクリーンショットは、「Public(パブリック)」フォルダが選択され、LUNのエクスポートに使用するために「export」という名前のフォルダが作成されたことを示しています。
  3. 操作が完了するまでiSCSIターゲットは読み取り専用モードでしか使用できない旨がプロンプト表示されます。[Continue(続行)をクリックします。 

iSCSIターゲットによりプログレス・バーが表示されます。エクスポートが完了すると、必要に応じて後でインポートして戻すこともできます。 

LUNオプションのインポートの使用 

このアクションにより、管理者ユーザは以前エクスポートされたLUNファイルをインポートできます。

  1. [Associated iSCSI(関連iSCSIターゲットから [Add iSCSIiSCSIの追加)ボタンをクリックします。
  2. [Import LUNLUNのインポート)を選択し、[Next(次へ)をクリックします。
  3. iSCSI LUNファイルを選択し、[Next(次へ)をクリックします。
  4. [Description(説明) [Advanced parameters (optional)(詳細パラメータ(オプション))を入力し、[Next(次へ)をクリックします。
  5. [Finish(終了)をクリックして、選択内容を確定します。 

LUN/iSCSIターゲットがインポートされます。このプロセスには時間がかかります。           

LUNのインポートが完了したら、その他のワークステーションにターゲットを接続できます。 

LUNオプションの複製の使用 

このアクションにより、管理者ユーザは現在ターゲットに添付されているLUNファイルの内容を複製できます。

  1. [Associated iSCSI(関連iSCSIターゲットから [Add iSCSIiSCSIの追加)ボタンをクリックします。
  2. [Clone LUNLUNの複製)オプションを選択し、[Next(次へ)をクリックします。
  3. iSCSI LUNを選択してコピーし、[Next(次へ)をクリックします。
  4. [Description(説明)][Advanced parameters (optional)(詳細パラメータ(オプション))を入力し、[Next(次へ)をクリックします。
  5.  操作が完了するまでiSCSIターゲットは読み取り専用モードでしか使用できない旨がプロンプト表示されます。[Continue(続行)をクリックします。 

iSCSIプログレス・バーが表示されます。           

Microsoft iSCSIイニシエーターの詳細については、

www.microsoft.comをご覧ください。