この記事では、BlackArmorマネージャを使用して以下を行う方法について説明します。
- 故障したRAID 5ボリュームの特定
- 故障したRAID 5ボリュームにおける故障したドライブの取外し/交換
- RAID 5ボリュームの回復
シーゲイトBlackArmor NAS 440製品にはデフォルトでRAID 5ボリュームが付いているため、確実にデータが保護できます。1台のドライブが故障した場合、ユーザは以下を行うことが可能です。
- BlackArmorマネージャおよびその他のツールを使用して、故障したドライブを簡単に特定する。
- 故障したドライブを取り外して、正常に機能しているドライブ(シーゲイト提供)と交換する。
- BlackArmorマネージャを使用して、交換用ドライブを入手し、RAID 5ボリュームを回復する。
これらはすべて、BlackArmor NAS 440を実行しながら行うことができます。
手順:
パート1 ― 故障したドライブの特定
故障したドライブを特定するには、以下の方法を用いることができます。
- BlackArmorマネージャのウェブ・イベント ― ドライブが故障した場合、またはRAIDのパフォーマンスが低下した状態で実行している場合は、ウェブ・イベントが発生します。ウェブ・イベントは、警告メッセージと共に黄色のバーに表示されます。バーは、ブラウザに表示されるBlackArmorマネージャのページ(どのページでも同じ)上部に表示されます。イベント・メッセージを確認したら、[確認(Acknowledge)]ボタンをクリックして削除することができます。
- LCD画面に、ドライブの故障を示すメッセージが表示されます。
- Eメール通知 ― Eメール設定がBlackArmorマネージャで有効化されている場合。ユーザのEメール・アドレスが[Eメール設定(Email Setup)]ページに含まれている場合。
- BlackArmorマネージャの[ストレージ(Storage)] -> [ディスク・マネージャ(Disk Manager)]でも、ドライブが故障しているかを判断することができます。これを行う場合は、ドライブの状態の下にメッセージが表示されます。
シーゲイト・ビデオ・チュートリアル ― 故障したドライブの特定
動画をご覧になるにはこちらをクリックしてください。
パート2 ― ドライブの取外し/交換:>
以下の手順に従って、ハードディスク・ドライブを取り外して交換します。
注:交換に使用できるのはシーゲイトのハードディスク・ドライブのみです。シーゲイトの交換用部品を使用しなかった場合、BlackArmor NAS 440/420の保証期間が喪失します。
警告 ― お読みください
ESDに関する注意事項
ESD(静電気放電)は、プロセッサ、ハードディスク・ドライブ、メイン・ボード、メモリ・モジュール(RAM)およびその他のBlackArmorコンポーネントを破損させる可能性があります。ハードディスク・ドライブを交換する場合は、必ず以下の注意事項を守ってください。
- コンポーネントを取り付ける準備ができるまで、そのコンポーネントを保護用包装から取り出さないこと。
- コンポーネントのピン、リードまたは回路に触らないこと。
- コンポーネントを取り扱う前に、手首に静電気防止用ストラップを装着し、コンピュータの金属部分に取り付けること。手首用ストラップがない場合は、ESD保護が必要な手順を行う間、コンピュータとの接触を保つこと。
- よく目にするプラスチック製のアセンブリ・エイドおよび包装用フォームなど、非導電性材料を作業エリアから除去すること。
ハードディスク・ドライブの取外し
- BlackArmorマネージャのウェブ・インターフェイスを開きます。
- メニュー・バーで[ストレージ(Storage)]を選択します。
- [ディスク・マネージャ(Disk Manager)]を選択します。
- 故障したディスク・ドライブの横で[安全に取り外す(Safe to Remove)]アイコンをクリックしてから、[OK]をクリックします。
- サーバの前面パネルを開きます。
- 故障したハードディスク・ドライブを見つけます。LED(LEDが点灯していない)をチェックして、ドライブ上のアクティビティが見られないことを確認します。
警告:絶対にドライブを1回に1台以上取り外さないでください。ドライブを1台以上取り外すと、データが失われます。 - オレンジ色のボタンを押して、ドライブをサーバから解除します。サーバの電源が入っている場合は、ドライブの回転(約1分)が停止してから次の手順に進みます。
- ハードディスク・ドライブをしっかり握れるまで、ハンドルを握りながらドライブの一部をサーバからそっとスライドさせます。
注:ハードディスク・ドライブは重さがあるため、完全に取り外したり、プラスチック製のハンドルを握って持ち運んだりしないでください。ドライブの上部および下部をしっかり持ちます。 - ハードディスク・ドライブ/キャリアを、ドライブのラベルが上向き、コネクタが作業者側に向いた状態に配置します(押さえます)。
- プラスチック製キャリアの右側を慎重に外側に曲げて、故障したドライブをキャリアから解除します。
- プラスチック製キャリアのエンクロージャから故障したドライブを取り外します。
新しいハードディスク・ドライブの装着
- 新しいハードディスク・ドライブがキャリアにぴったりと完全に収まるよう装着します。
- 新しいドライブを慎重にサーバ内にスライドさせます。完全に取り付けられるまでしっかりと押してから、ハンドルを閉じてドライブを所定位置に固定します。
ハードディスク・ドライブのLEDが緑色に点灯します。 - サーバの前面パネルを閉じます。
シーゲイト・ビデオ・チュートリアル ― 故障したドライブの交換
チュートリアルをご覧になるにはこちらをクリックしてください。
パート3 ― ドライブの取外し/交換:
次に、シーゲイトBlackArmorマネージャを使用して、交換用ドライブを入手し、RAID 5ボリュームを回復するために必要となる手順を説明します。
注:ここでは、BlackArmorマネージャに管理者ユーザとしてログインしていることを前提とします。
新しいHDDの入手:
- [ストレージ(STORAGE)]の上にマウスを置き、[ディスク・マネージャ(Disk Manager)]リンクをクリックします。[ディスク・マネージャ(Disk Manager)]ページが開きます。
- 表示された一覧から交換用ハードディスク・ドライブ(通常は、[異種(Foreign)]として表示)を見つけ、[ディスクの入手(Claim Disk)]アイコンをクリックします。ウィンドウが開き、この要求を確認するよう求められます。
- [OK]ボタンをクリックします。ドライブの再入手処理が開始します。完了すると、ディスク・マネージャに、「HDD(ハードディスク・ドライブ)…の入手が完了しました」というテキスト・メッセージが表示されます。これでディスクをボリューム内に回復する準備ができました。
パフォーマンスが低下したRAID 5ボリュームの回復
- [ストレージ(STORAGE)]の上にマウスを置き、[ボリューム(Volumes)]リンクをクリックします。[ボリューム(Volumes)]ページが開きます。
- [回復(Recover)]アイコンをクリックします。[ボリューム(Volumes)]ページが開き、回復する[ボリューム名(Volume Name)]および[ディスク選択(HDD番号)(Disk Selection (HDD Number))]が表示されます。
- [送信(Submit)]ボタンをクリックします。ウィンドウが開き、この要求を確認するよう求められます。
- [OK]ボタンをクリックします。回復処理が開始されます。完了すると、[ボリューム(Volumes)]ページに、「RAID構成の変更が完了しました―再同期/フォーマット化」というテキスト・メッセージが表示されます。
注:回復には時間がかかる場合があります。回復にかかる時間はボリュームのサイズによって、平均で4時間から12時間と異なります。完了すると、「RAID構成...」というメッセージが表示されます。
RAID 5ボリュームが回復されました。
シーゲイト・インタラクティブ・チュートリアル ― RAID 5ボリュームの回復
動画をご覧になるにはこちらをクリックしてください。
RAIDの使用に関するヒント
- 故障したドライブは、過去のRAIDシステムの一部だったドライブとは絶対に交換しないでください。交換用ドライブは使用する前に必ずゼロフィルを実行してください。これはDOS版SeaToolsで実行できます。詳しい手順については、文書ID: 201271を参照してください。
- ドライブから異常な機械音が出ている場合は、すぐに電源を切って、サポートを依頼してください。
- ハードウェアまたはソフトウェアを変更する際は、必ず妥当なバックアップの準備を行ってください。
- ドライブには、RAIDアレイにおけるポジション(つまり、1、2、3、4)をラベル表示します。
- 不良と思われるドライブではボリューム修復ユーティリティを実行しないでください。
- 不良と思われるドライブではデフラグ・ユーティリティを実行しないでください。
- RAIDアレイで停電が発生し、ファイル・システムが疑わしいまたはマウント不能な場合、または電源回復後もデータにアクセスできない場合は、ボリューム修復ユーティリティを実行しないでください。
オフライン・ストレージ・システム ― アレイまたはドライブを強制的にオンライン状態に戻さないでください。コントローラ・カードによってドライブまたはアレイが無効になる場合は通常、正当な理由があるので、アレイを強制的にオンライン状態に戻すと、そのボリュームがファイル・システム破損を受ける可能性があります。
故障したドライブのリビルド ― 故障した単体ドライブのリビルドを行う場合は、コントローラ・カードのプロセスを終了させることが重要です。2台目のドライブが故障したり、このプロセス中にオフライン状態になったりした場合は、作業をやめて専門家によるデータ復旧サービスを受けてください。リビルド中、2台目の故障ドライブの交換を行うと他のドライブ上のデータが変更されます。